EURO2008〜総合編〜

1:食事について

その国のことをてっとり早く感覚で理解するには、
その国の食事を食べることと、音楽を聴くことだと思っています。
その国の人たちがどのようなものを食べているのかというのは、
旅行者でなくても興味のあるところです。
食事はその国を表します。内容だけでなく、食べ方や雰囲気も含めて。
特に旅行者にとっては、外食しかできないということもあって、
食事については重要です。
今回まわった3カ国での食事やレストランなどについて、
簡単に記しておきたいと思います。

 

まずは一般的なレストランから。
私はいつも旅行にはラフな格好でしか行かないので、
ドレスコードのあるようなお店には、全く入ったことがない。
今回もそうです。その前提で、お読みください。

レストランやビストロの前には、お品書きが提示されていることが多いです。
お品書きそのものが置かれていたり、黒板に板書されていたり。
それを見て、内容や値段を確認して、納得したら入りましょう。

 

ここはポルトガルのレストランですが、
やはり入口左にお品書きが掲げられています。

ここで「メニュー」と書かず「お品書き」としつこく書いているのは、
menuはこちらでは「定食」のことを指すからです。
定食と言っても、日本の焼肉定食のようなものではなく、
もう品の決まったコース料理のこと。
一品ずつ頼む場合は、la carteとなります。

 

ここで一つ注意。全てのお皿が大きめで、料理の量が多いのです。
これはどの国でも共通で、一見それ程ではなく思えても、
実際に食べてみると、かなりの量だったりします。
若い人なら食べられてしまうとは思いますが、小食の人や胃袋に自信のない人は注意。
特にコース料理なんか頼んだら、本当に食べ切れないですからね。
日本のレストランのような見本もないし、どんな食べ物かわからないで頼むのですから、
「不足だったら追加する」くらいにしておくべきです。
たとえば右写真の「ワーテルズーイ」という、ベルギーゲント地方の郷土料理。
ジャガイモは普通の男爵イモの大きさ。鳥モモ肉2本。量が想像できましたか?

ワーテルズーイ

 


腎臓の煮込み
また必ずベルギーやフランスでは前菜の前にパンなどが出てきますが、
これは手をつけてもつけなくてもいい。手をつけたら、有料です。
私はお腹に余裕がないので、これにはまず手をつけないです。

コース料理が多いのなら、ア・ラ・カルトで頼めばいいのです。
別に必ず前菜が必要とかデザートが必要とか、そういう決まりは全くなし。
好きな物を頼めばいいのです。
前菜も温かいのから冷たいのまであるので、量が多めの前菜だったら、
メインディッシュとして頼んでも構いません。
ただし、お店によっては前菜をメインディッシュにする場合は、
メインディッシュなみの値段が課せられることもありますので、そのつもりで。
飲み物もアルコールでなくても構わないのですが、コーヒーなどは食後です。
私は大体、ガスなしのお水を頼んでいます。

 


シーザーサラダ
それから、一つのお皿を二人や三人でシェアしてもいい。
そのあたりは、とてもフレキシブルなのです。
その代り「このプレートを」シェアすると言わないで
ただシェアとだけ言うと、すべてのお皿を一斉に持ってきます。
このあたりは英語のニュアンスの難しいところですかね。
一度それで失敗しました。

フォアグラと牛のステーキ

 

上のサラダとステーキは、このお店「Raphael」で頼んだものです。
お店によっては英語のメニューがないところもあり、ここもそう。
今気づいたけど、サイトのほうも英語ないのね。
なんとか知っている単語を探し出して、オーダーしたのですが、
シェアしたにも関わらず、ひと皿が多いので、かなりの満腹感。
大体これ、シーザーサラダじゃないよ。かなり豪華で美味しかったけど。
そしてさらに…

 

デザートの後でコーヒーたのんだら、こんなのが出てきた。
小さなムースか何かがついていて、おまけにチョコレートまで。
たかがコーヒーだけでも油断がならないです。お腹が苦しい。
値段も量の目安にはなるのですが、田舎と都会では物価が違う。
一番いいのは店員さんにどの程度の量なのかを
ちゃんと聞くことですね。

 

レストランは、外観からして洒落た感じのお店が多いです。
何となく格式ばった、という感じの。
ちょっと入りづらいな〜という空気を感じますが、大丈夫。
現地の人もごく普通の恰好で食べに来ています。
私はジーンズでしたが、断られることはなかったです。

 

服装は大丈夫でも、態度によっては断られたりすることもあるかも。
こちらの人はお酒に強いのか、こういうお店でたくさん飲んでも
日本のように酔いつぶれたりということはないようです。
人前で平気で酔っぱうことが不用心なのかもしれませんが、
日本の居酒屋のような要領で大声出したりすると、
もしかしたらつまみだされるかもしれません。
この写真のようなお店の雰囲気で、わかっていただけると思います。

 


ベルギーのホテルの朝食
欧州のホテルは、朝食込みのところも多いです。
ホテルでの朝食は、ビュッフェ形式となっていますが、
メニューは毎日さほど変わりません。
朝食込みでないところもありますので、
予約をする際には、必ず確認してください。
都会ならいくらでも食べるところはあるけれど、
ど田舎に泊まってしまうと、全く周囲にお店がないことも。

 


パリのカフェでの朝食
周囲に食べる場所があるなら、ホテルの外での朝食も楽しい。
モーニングセットがあるカフェも見かけますし、
単品で朝からボリュームあるものを食べることもできます。
国によってスタンダードな朝食があったりするので、
お金は余分にかかるけれど、そういうのを頼んでみるのもいいですね。

ポルトガルのカフェの朝食

 


ポルトガルでのサラダ。
横のボトルが、
お酢とオリーブオイル。
それから、あちこちで食事していての発見。
今回の旅行で、ドレッシングの代わりに、
オリーブオイルとお酢と塩胡椒を出されること数回。
出来合いのドレッシングではなく、自分でその場で作るというか、
サラダに適量振りかけて味を調整するのですが、旨いんだ、これが!
お酢とオリーブ油を数滴ふりかけ、塩を振っただけなのに、
今まで食べたどのサラダよりもおいしかったんですよ。
これはかなりショックでした。
もしかしたら素材の違いなのかもしれませんが、それにしても。
家に帰ってからも同じようにやってみていますが、
旅行中ほど美味しくできないのは、不満でもあるし不思議であります。

 

日本でもチェーン店でもなければ、あちこちの店や地方で
食事の値段は随分と違うものですが、こちらも同じです。
やはり都会は物価が高い。田舎のほうが、安めです。
これはモン・サン・ミッシェル近くのレストランですが、
パリと比べると、かなり値段は安めでありました。

 

英語メニューがなかったので、またもやフランス語と悪戦苦闘。
ムール貝を頼んだら、時期ではないのでありませんでした。
代わりに適当なものを頼んだら巻貝だった。
よほど貝が食べたかったんだなと思われたかもしれません。

パリでもムール貝はフランス産はなくて、スペイン産と書かれていました。
どこが産地なのかという表示がきちんとなされており感心。
食にうるさい国民性ですからね。今の時代では、余計に大事なことでしょう。

 


ブルージュの軽食屋
堅苦しい雰囲気のレストランだけでなく、
ファーストフードのように気楽に入れる食事処もたくさんありますよ。
いわゆるジャンクフード的なものを出してくれるお店なんだけど、
結構なボリュームがあります。
ベルギーの人はフライドポテト(向こうではフレンチポテト)が大好きで
胸やけするほどたくさん食べますので、付け合わせも大量です。

ブリュッセルの軽食屋

 

ケータリングでホテルに持ち込みをして、のんびり食べるというのもあり。
周囲のレストランが閉まってしまい、軽食屋のみが開いていたのですが、
イートインは満席だったので、ケータリングしました。
それでも結構お腹いっぱいになったし、満足感がありましたね。
これはポルトガルでのケータリングで、魚のフライとかお米のケーキとか、
この国独自の軽食がたくさん並んでいて、楽しめました。

 

フランスやベルギーでは、ファーストフードはマックもあるけれど、
「クイックバーガー」というお店がかなり目立ちます。
内容はマックとそれ程大きな差はない。セットメニューもあります。
これ、ケータリングで入れてくれる紙袋なんだけど、
やっぱり日本みたいに「可愛らしいカップル」とかを描こうという気は
全くないようで、本当に居そうなリアルな若者の絵です。
ここらへんは、お国柄なんですかね。

 

パリなどはお総菜を売るお店も探せばたくさんあって、
日本ではまずお目にかかれないものが売られています。
小さなフランスパンに具を挟んだサンドイッチはもちろんですが、
ミックスピクルス、オリーブ、根セロリのサラダ、テリーヌ、
デザート用のケーキまで。
こういうのはフランスの家庭の味が楽しめるわけで、
レストランとはまた違った食の楽しみがあります。
一度は利用してみるのをお勧めします。

 

私は海外に行く時は、必ず「その国の食事」を食べるようにしています。
海外旅行で日本食レストランを探して、日本食ばかり食べる人もいるけど、
なんて勿体ない!せっかく生の、その国の核心触れられる部分であるというのに。
当然ながら以前パリに一週間滞在した時も、そのようにしていました。
しかし旅行最後の日、思いがけない体調不良に見舞われたのです。

とにかくこちらの食事というのは、アツアツの料理というのがないのです。
だし汁のきいた熱いうどんなんかを食べると、体の芯から温まりますが、
日本人ほど熱い食事をする民族は少なく、欧州ではスープなどもなまぬるい。
真冬のフランスの寒さはかなりのもので、そこで体の内部から温まるものを食べることができない。
とにかく熱いものが何か食べたい!だしのきいた、熱いスープや味噌汁が飲みたい!となるのです。

以来私は、旅行用の電熱棒と、インスタントの味噌汁を持参するようにしています。
これがあるだけで、体の調子がずいぶんと違います。今回は楽々乗り切ることができました。
個人差はあると思いますが、ご参考までに。

 

EURO2008総合編 1  

EURO2008ポルトガル編      

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EURO2008フランス編      

 

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