EURO2008~フランス編~

3:パリ市内駆け足観光

その3:モンマルトルの丘(Montmartre)

パリで一番高い場所でもあるモンマルトルの丘。
19世紀より芸術家たちが多く住んでいました。
今でも無名の芸術家たちが広場に集い、それを目当てに人々が訪れます。
最寄り駅は、メトロのANVERS駅。
駅を降りたところ、移動遊園地が来ていました。

 

さてこのモンマルトルの丘ですが、ひとつ難関が。
丘の頂上に登らなければいけないのですが、
それには長い長い階段が…。
また登るのか、と覚悟を決めた私の目に飛び込んできたのは、
新設されたケーブルカーの駅!おおー、ありがたい!
しかもこのケーブルカー、メトロのパスで乗れるようです。

 

この傾斜を登らなくてすむとは、本当にありがたいことで。
若い人は大丈夫だろうけど、老人など足腰の弱い人には、
あの階段は大層辛いはずです。
関節に障害のある人なんかだと、登るのもつらいけど
降りるほうが負担がかかるということですし。
まあこういうのができて、よかったです。

 

それからこういうのもありますよ!
丘の下から上まで、細い路地を走って登っていく車。
遊園地の中なんぞを走っているようなやつですが、
これに大の大人がたくさん乗っていたりするのでかわいい。
実際に丘の上まで運んでくれるので、楽です。

 

丘の上は、パリで一番高い場所なだけあって、眺望は抜群。
遠くのほうには、エッフェル塔も見えますね。
冬のパリはどんよりと曇った空が多いのですが、
右の写真のように明るく晴れた日なんぞは、特に眺めがいい。
そんな日には…

 

このサクレ・クール寺院の前の階段に、
集団記念写真かと疑うほどの人が座り込んで
景色を眺めています。
端っこのほうしか通れなかったりするんですが、
確かにこの位置だと、真正面に市街地が見えるのです。
晴れた日は日向ぼっこついでに、のんびりと街を眺めるのですね。

 

その眺望スペースとでもいうべき場所から
何となく賑やかなほうへ歩いて行くと、このような広場に出ます。
ここがモンマルトルの丘で一番有名な、オープン・ギャラリー。
広場にたくさんの絵描きさんが集まって、自分の絵を売ったり
その場で似顔絵を描いたりしているのです。

 

こうして展示された作品を実際に描いている人が売っているので、
どこを描いたものなのかとか、解説してもらうこともできます。
フランス語だけでなく、英語ができる人も多いので、
気になる絵があったら、積極的に話しかけてみましょう。
風景画あり人物画あり、様々なタイプの絵があります。

 

何となく眺めているだけの人もいれば、熱心に質問している人も。
ともかくこの一角はとても賑わっており、絵にそれほど興味がなくても
この雰囲気を味わうだけでも楽しいものです。
なお、画家によっては「no photo」「no video」という貼り紙をしてあったりするので、
写真を撮る時は注意してください。

 

この広場の周辺には小さな画商もたくさんお店を出しています。
画商というと、日本人の場合はどうしても
1枚ウン千万円とかいう作品を扱うイメージになってしまいがちですが、
世間的には無名の画家の作品も勿論扱うので、
自分の気に入った絵を安価で購入できる場合も多い。
モンマルトルの画商のお店は誰でも気楽に入れる雰囲気で、
大きいのから小さいのまで、様々なサイズや値段のものを扱っています。
このお店には私の好みの絵がとても多く、ここで数枚購入しました。
すべて全く無名の画家の絵です。でも一目見て気に入った。
今、家の居間や玄関に飾ってあります。

 

画商だけでなく、普通のお土産物屋さんもたくさんあって、
やはり場所がら名画にちなんだものを扱っています。
たとえば、スタンランのシャ・ノアール柄のTシャツとかね。
傘やネクタイなんぞも、そういう柄のものが多くあったりして、
それらを見て歩くだけでも楽しい。
パリは観光地でもあるので、どこでもそういうものがあるのですが、
やはりモンマルトルには特別多いように思います。

 

このお店はロートレックやスタンランなどのポスターものが多く、
ごく普通に印刷された大判のポスターもあれば、
マウスパッドやノートなどの商品が並んでいました。
ポスターは絵画と違って、アピールすることを目的に描かれるので、
とても目を引くデザインになりますね。
私はここでマウスパッドを購入。小さいし、持ち帰るにも楽だし、
お土産としてはぴったりかなと思います。

 

帰りはケーブルカーを使わず、歩いて階段を降りました。
ここは有名な、モンマルトルの階段。
多くの画家たちがこの階段を行き来したことでしょう。
その頃は無名の、後に世界に名を知られることとなるような画家たちが、
若き日を過ごしたモンマルトル。
この小さな丘が、世界の美術の流れを大きく変えた場所でもあるのです。
ちょっと違うかもしれないけれど、まるで「ときわ荘」のようだなと思いました。
彼らは自分たちの作品とともに、モンマルトルという名所も残しました。
そして今でもあの広場には、たくさんの絵描きが日々集まってきます。

 

モンマルトルの丘からピガール地区方面へ向かっていくと、
世界一有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ」が見えてきます。
ロートレックのポスターで知られ、映画の舞台にもなりました。
実はこのあたりはパリでも有数の歓楽街で、
大通りの両脇にアダルトショップなどが建ち並んでいます。
日中は家族づれなども普通に通りますが、夜になると様子が変わるかも。
そのつもりで、お出かけください。

 

これは前回モンマルトルに行った時に買ったポストカードです。
家の玄関に飾ってあります。
広場で見つけたものですが、一目見た途端に衝撃を受けて、
そこに並んでいたものを全部買い占めてしまいました。
売っていたのは若いフランス人女性。
カードの隅には「CAMIELL」とサインがあります。カミイユと読むのでしょうか。
最小限の筆遣いで、ここまで見事に対象を表現できるとは。
絵がうまいというのは、こういうことなのかと、
この人の絵を見てしみじみと感じ入りました。
今でも絵を続けているのでしょうか。今の彼女の絵を見てみたい。
どこかの画商があつかっているかも、とあちこちまわったのですが、
ついに見つけることができませんでした。

こういう世間的には知られていない、しかし自分の感覚とぴったり合った、
そういう絵と偶然めぐり会えるかもしれない。
それがモンマルトルでの最高の思い出となるのではないかと思います。

 

その4:マルシェ(Marché)

 


最寄り駅はエドガー・キネ
パリでの楽しみの一つに、蚤の市やマルシェがあります。
パリ市内ではほぼ毎日どこかで開催されています。
蚤の市は古物市とでもいいましょうか、骨董品などが並びます。
マルシェとは市場のことですが、築地市場のような市場ではなく、
街角で催される、露店が並ぶ形態の市場のことです。
何箇所も行けるほど時間もなかったので、今回は一か所のみ。
エドガー・キネの朝市に行ってまいりました。

 

メトロの出口を出ると、すぐ目の前にありました。
鮮やかなストライプの露店が並んでいます。
朝だというのに、もうかなりの人出で活気があります。
楽しいですねえ。早速見てみましょう。

 

マルシェは観光客向けというのではなく、地元民向けのものです。
並んでいるのは、普段の生活で使う食料品が殆ど。
半分以上は生鮮ものです。
なので観光客よりも、パリ住民のお客さんが多い。
売っているものも、売る形態も日本とは微妙に違うので、
それらを見ているだけでもとても興味深い。

 

クレープのお店があったので、空腹の私は早速一枚注文。
チョコバナナを頼んだところ、クレープ屋のお兄さんが
すぐ隣の果物屋さんに大声で何かを叫びました。
すると、果物屋さんがバナナを1本ちぎって投げたw
合理的で知られるフランス人、さすが!
で、目の前でちゃちゃっと焼いてくれました。結構大きい。
やっぱり焼きたてはおいしいですね。
寒空の下で頬張る熱々のクレープ。格別の味でした。

 

その果物屋さんです。
外国の八百屋さんや果物屋さんは、このように商品を積み上げることが多い。
きれいに山を築いているのです。スーパーでも同じ。
これって、自分のお店ならいいけれど、ここでも丁寧に積むんでしょうか。
結構な労力だと思うのですが。
でも見た目とてもきれいで、絵になりますね。

 

八百屋さんです。やっぱり山を築いてます。
左の写真はジャガイモなどお馴染みの野菜ですが、
右のスペースは日本人には珍しいものが多かった。
今ではチコリとかエンダイブとかも日本で売っていたりしますが、
アーティチョークや根セロリなどは売っていないもんなあ。
どうやって調理するんだか見当がつかない。
持って帰れないので買えなかったのですが、
今度ちゃんと食べてみたいです。どんな味なんだろう。

 

パン屋さんです。やっぱりパンもきれいに並べて積んであります。
やはりバゲットなど表面の固い、いわゆるフランスパンが多い。
近くにいるだけで、いい匂いがします。朝焼いたのかなー。
その他クロワッサンやデニッシュなども並んでいますが、
日本のような菓子パンの類はありませんね。
やはりあれは日本独自の文化なんでしょうか。

 

お総菜屋さんもあります。当然ながら、日本とは全然違います。
右下の赤いのは、プチトマトのマリネ。
その左の白いのは、根セロリのソース和えのようなものです。
パイ生地で作った容器なんかも売っていました。
中にこういうものを入れて、食卓に出すのでしょうね。
味の想像がつかないので、余計に食べてみたいです。

 

鮮やかな赤のストライプのこのお店は、お肉屋さん。
さすが肉にかけては日本人よりも歴史があるだけあって、
肉屋さんの規模が日本よりも大きい気がします。
精肉だけでなく、ハムやベーコンなどの加工品も扱っています。
中では店員さんが熟練の手つきで肉をさばいていました。
こっちの人たちは昼から大きなステーキを食べたりするので、
日本人とは消費量が格段に違うでしょうね。

 

お肉もあれば、お魚もあります。
フランスやベルギーではムール貝をよく食べるので、
やはり扱う量が多い。籠がたくさんありました。
日本では大きなお魚は切り身にして売っていたりするけど、
こっちでは丸のまま置いてあったりするんですよね。
必要量だけ、カットしてもらうんでしょうか。
当然ながら干物とか粕漬けとか味噌漬けなどはない。
魚に関しては、やはり日本人のほうが工夫が多いなと感じました。

 

お花屋さんもー!きれいだー!
こんな真冬の寒い日ですが、鮮やかな色の花がたくさん。
暖かい日差しを受けて、この一角だけ春のようです。
色が濃いお花が多くて、それだけにとても目立つ。
普段花を活けたりする習慣なぞ持ち合わせていない私ですが、
こんなきれいなのを見ると、ついつい飾ってみたくなりますね。

 

そして当然ながら、チーズもあります。
この一角だけ、すごい匂い。向こうのチーズは、強烈です。
とにかく種類が多いです。それぞれ全部違うのでしょう。
お肉に合うとかお魚に合うとか、合わせるワインはこれだとか、
チーズひとつとっても、物凄い知識が必要なんだろうなと思わせます。
チーズは好き嫌いが激しく分かれると思いますが、私は大好き。
これだけのチーズを前に、全種類食べられないのが残念でならない。

 

パリは物価が高い街です。今回まわった3カ国の中でもダントツでした。
このマルシェだって、特別安くものを売っているわけではないのですが、
売られている野菜や果物などを見てみると「かなりいいものだな」と感じました。
それは街の商店でも同じです。食べていないので、見ただけの感想ですが。
ノルマンディのところでも書いたとおり、フランスは食料自給率80%です。
殆ど自分の国で生産できるもので、輸入するにしても周辺国からとなるでしょう。
片や日本は、食料自給率はカロリーベースで40%を切っています。
他の国からの輸入品がなければ生きていけない状態ですが、
その輸入品が危険に満ちていて、安心していられない状態となっています。
高くても安心して食料品を買えるというのが、とてもうらやましいですね。
食に対する意識は日本人も負けないくらい高いはずですので、
今後改善の方向へ進んでくれることを、願ってやみません。

 

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