EURO2008〜ポルトガル編〜

7:ルソ(Luso)

ポルトガルで水を買うと、ほとんど「Luso」という名前のものを渡されます。
商品名にもなっている「Luso」とは地名で、
ブサコ森林地帯からの湧水が湧き出るあたりの地名なのです。
pHが8ほどの軟水で、硬い水の多いヨーロッパでは珍しい。
温泉ではないけれど、行ってみることにしました。

 

朝食をとらずにホテルを出たので、少々お腹がすいていました。
朝早くから営業しているカフェに入り、簡単な朝食。
ガラオン(ガラスの器に入ったカフェオレ)と、
ショーケースに並んでいたお菓子の中から適当に選びました。
このあたりは田舎なので、物価が安め。
この朝食もボリュームたっぷりで、これで5ユーロほどでした。

 

ポルトガルのカフェというのは、簡単な食事ができるの所が殆どで、
このようにショーケースに所狭しと手作りのパンやケーキが。
なんだかどれもとても美味しそうで、目移りしてしまいます。
甘めのものが多く、量も多いので、甘党にはいいでしょう。
勿論普通のサンドイッチのようなものもあります。

 

泉があるのは、この看板のあるところ。
道路からは看板しか見えないのですが、
この奥にある階段を下りていくと、すぐに見つかります。

 

朝早いというのに、もう地元の人たちがたくさん水を汲みに来ていました。
皆さん大五郎のような巨大なペットボトルを持参していますが、
いずれも「Luso」のボトルでした。
一度は商品化されたLusoを購入しても、あとはここに汲みにくるのですね。
沢山の蛇口があって、そこから絶えず水が出ているので汲み放題。
私も飲んでみましたが、癖がなく冷たいお水でした。

 

ここが源泉となります。
ガラスの向こうに、砂利の下からこぽこぽと
お水が湧いてきているのが見えます。
山からの湧水なので、この下には砂利だの砂だのの層があって、
それで濾過しているのでしょう。

 

源泉のすぐ横には、このLusoの泉(サン・ジュアン=聖ヨハネの意)の
歴史というか移り変わりが、美しいアズレージョで描かれています。
これらは本当に美しく、ちょっと離れてみると写真と見まごうほどです。
19世紀から始まって、現在に至るまで。
この泉が聖ヨハネからの贈り物であるとして人々に大切にされてきたのが
とてもよく伝わってきました。
水が豊富にあるのが当たり前の現代、つい忘れがちではありますが、
我々も「水」があることに、感謝しなければならないと感じました。

 

 

8:コニンブリガ遺跡

ポルトガルは半島の端にあり、地中海やアフリカ大陸が近いなど、
地理的な条件から、色々な民族からの介入が多くありました。
ローマの支配下に入ったこともあり、その遺跡の最大のものが
このコニンブリガ遺跡です。
入口にはたくさんの柑橘系の木。かわいらしい実が実っていました。

 

美術館(博物館)と遺跡があって、美術館は月曜日はお休みです。
遺跡のブースに入ると、まずこのような鉄骨組みの屋根が目に入ります。
順路のようなものは示されていませんが、
何となくここから見るということになります。

 

中はこのような庭園になっています。
短い柱が何本も建てられ、その間にはアヤメのような植物が(造花ですが)。
実際にも水辺に咲く花などが植えられていたのでしょう。
それ以外の場所は、水で満たされています。
このように眺められる場所のあたりに、コインを入れる場所があって、
そこに50セント(だったと思う)を入れると・・・

 

ちょっと見づらいでしょうが、このように
水が噴水状にあちこちから噴き出す仕掛けになっています。
こんな風にして、涼をとったのでしょうか。
以前はこの水を出す仕掛け、無料だったような覚えがあるのですが、
私の記憶違いかな。

 

当時のお金持ちのお屋敷の跡などもありました。
これらの遺跡の横に見取り図があるのですが、
使用人の部屋などはまだしも、一般家庭の中に公衆浴場があったりする。
ローマ人はお風呂が好きだったと言いますからねえ。
皆で休日はお風呂で一日過ごしたりしたのでしょうか。

 

この半円形の穴は蒸気が通る穴?
古代ローマのお風呂については知識がないのですが、
蒸し風呂も確かあったはずです。
しかし蒸し風呂にしては、部屋数が多すぎる。
公衆浴場なのだから、こんなものか・・・うーん・・・。

 

先ほどの噴水の庭園のようなものが所々にあり、
生活するだけでなく、このようなものを楽しむ文化もあったようです。
もともとこのあたりにはケルト人が住んでいたのですが、1世紀にローマ人が来襲。
その後交通の要所として栄えましたが、5世紀にゴート族が来襲。
歴史が古い上に、他の国と陸続きですから、色々とあったようです。

 

コニンブリガ遺跡の一番の見どころは、美しいモザイクタイルです。
1片が1cmに満たない小さな破片を埋め込んで、とても美しい柄を描いています。
ここにローマ人が住んでいたのは5世紀までと考えると、とんでもなく古いもの。
しかし今でも色は鮮やかで、とてもきれいに保存されています。
あちこちで違う柄が見られるのも、これもまた楽しいものです。

 

コニンブリガ遺跡はまだまだ発掘途中で、今のところ10分の1程度が発掘されたにすぎません。
前回来た時よりも、多少は進んでいるようですが、全体が見られるのはいつになることやら。
今回はオフシーズンの平日だったということもあり、遺跡内はがらがらで、ゆっくりと見学できました。
オンシーズンにはそれなりに賑わいますが、かなりの広さなので混雑は感じないですみますよ。

 

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