EURO2008〜ベルギー編〜

6:ホテルでビールを飲みながら

ベルギーは美味しいものがたくさんありますが、
やはり有名なのはチョコレートでしょう。
ベルギー人のチョコレート消費量は他の国と比較してもかなり多い。
チョコレートが生活に根付いているので、舌も自然と肥えてくる。
そうなれば、さらに美味しくなる…という循環が繰り返されてきたのか、
確かにベルギーのチョコレートは美味しいです。
日本でもレオニダスやノイハウス、もっと有名なところではゴディバなど、
ベルギーのチョコレート屋さんはとても人気です。

 

私が今まで行ったことのあるヨーロッパの都市では、
コーヒーを頼むと、必ずお茶受けがついてきます。
クッキーもありますが、チョコレートが圧倒的に多い。
日本では超高級品扱いのゴディバですが、
こちらでは普通にお茶受けとして1枚添えられていたりします。
そのくらいチョコレートというものが身近なのです。

 

有名なチョコレートハウスもありますが、
街中にある、家族単位でやっているようなお店でも、
かなり美味しいものに巡りあえます。
ここはブルージュにある「Van Oost」。小さいですが、有名店。

 

どのお店でも、ごく普通に1個売りしてくれます。
1個だけ買うなんて恥ずかしい…なんてことはないのです。
色々な種類が並んでおり、見ているだけでも楽しいし、
お店にはチョコレートのいい匂いが漂っていて、幸せ。
どんなチョコかわからなかったら、店員さんに聞けば教えてくれます。
チョコレートだけでなく、ヌガーなど他のお菓子もあったりするので、
色々と買って試してみましょう。

 

私がお土産で買ってきたのは、この箱に詰めてもらっていくらというもの。
その日店頭に並んでいるチョコレートをつめてくれるので、鮮度もいい。
色々な味を楽しみたいけど、どれを選んでいいのか分からない場合は、
このような方法だと万遍なく楽しめますね。

 

しかし不思議なことに、ベルギー現地で食べるのと、日本で食べるのとでは、
同じチョコでも違うのですよ。
断然、向こうで食べたほうが美味しいのです。
やはり気候や雰囲気なども、味に影響を及ぼすのでしょうか。
初めてベルギーに行った時、レオニダスの店頭に無造作に積まれていた
袋に色々な種類のチョコをアソートしてある特売品のチョコを買って、
ブルージュへの電車の中で食べました。
その時の、あのチョコレートの美味しさ。本当に、心が震えるほど感動しました。
いまだにあのチョコレートほど、美味しいチョコには出会えていません。
ベルギーに行かれた場合は、是非とも現地でたくさん召し上がってきてください。

 

そしてもう一つのベルギーの名物は…ビールですね。
ベルギーには実にたくさんのビールがあります。
日本ではビールというとラガータイプが主流ですが、
ベルギーにはラガーもエールもあります。
そして私の大好きなフルーツビール!
ビール専門店にも行きましたが、やはりスーパーを見てみなければ。
というわけで、スーパーにビールを見に行ってきました。
ベルギーでのスーパーの大手は「GB]と「DELHIZE」。
GBはフランスのカルフールの系列です。

 

ポルトガルのスーパーのワイン売り場並に、ビールのコーナーは充実。
とにかくすごい。日本とは比べ物にならない数です。
ベルギーでは瓶のリサイクルが進んでいるそうで、瓶ビールが多いです。

 

勿論ものによりますが…値段の一例。安いでしょー。
瓶のデポジットを考慮にいれての価格なんでしょうね。
このようにスーパーや酒屋でいつでも買えるビールもたくさんありますが、
その土地に行かなければ絶対に入手できないような、
プレミアムな地ビールも数多くあるのです。
それに加えて、あちこちの醸造所で常に新作を考えていたりするので、
一体何百種類あるのか、というほどあるのです。

 

これはサクランボを原料としたクリークと呼ばれるビール。
もっとも本物のクリークというのは、かなり入手困難で、
スーパーなどで売られているのは、香料を使っているのだとか。
それでもいーや、十分美味しいし。
エールはあまり冷やすものではないそうですが、
私はキンキンに冷やして、いただきました。美味しかった!

 

話は変わりまして、私が宿泊したホテル。
前2回ともグラン・プラス近くの大きなホテルに宿泊しました。
そこもとても気に入っていたのですが、今回の訪問日の宿泊料金が
何故だかとても高くなっていたのです。
どうしようか、としばし考えて、ふと思いつきました。
そういえばグラン・プラスの中に、1軒だけホテルがあったはず。
そこにあたってみよう!

 

実は以前から気になっていたホテルで、いつか泊まりたいなと思っていた。
でも前回はネットも現在ほど普及していなくて、予約をとるのが困難だったのです。
しかし今はメールや、ネットの予約システムなども充実しているので、
自分の好きな時間にPCで何とかなってしまうのです。
有難い世の中になりました。

ちなみにこの建物の中に、その「Hotel Saint Michel」があります。
これ全部じゃないですよ。ほんのごく一部です。小さなホテルなんです。
この建物自体は、ブラバン公の館と呼ばれています。

 

人一人で一杯というくらいの小さなフロントで鍵を預かり、
そのすぐ隣のエレベーターへ。
この建物は古いのですが、エレベーターもかなり旧式で、
扉は手動で開け閉めします。
しかも人間が2人も入れば満杯で、とにかく小さなエレベーターでした。
でもホテル自体がとても小さいし、このエレベーターはとてもよくマッチしていると思います。

 

宿泊したのは、最上階のグラン・プラスビュー。
一番奥の、突当りの部屋です。
その手前の天井には、屋根裏への階段でしょうか、
何かドアのようなのがありました。

 

部屋は特別広くはないけれど、私には十分。
小さいながらも冷蔵庫もあるし、
荷物を広げられるだけのスペースもあります。

 

それから、この部屋にはロフトがあるのです。
手すりすらない階段を上がると、そこには丸い小さな窓。
とてもかわいらしい空間ですね。
このロフトが目当てで、予約の時には部屋指定をしました。
この部屋が空いていて、本当にラッキーでした。

 

夕方ビール店でめぼしいビールを買い込み、
おつまみのチーズやチョコレートも買ってきました。

さあ、いよいよ夜のライトアップされたグラン・プラスを見ながらの、
大人のビールタイムの始まりです。

 

窓を開けると、目の前にライトアップされた市庁舎。
それから思わずため息がでるくらい、美しい夜景。
それを眺めながらビールを開け、グラスに注いで
「乾杯!」

あー、これがやりたかったのですよ!
実はこれが、今回の旅行の大きな目的の一つでした。
世界一美しい広場をホテルの部屋から眺めながら、
世界に名高いベルギービールを飲む。
なんという贅沢でしょう。
なんという幸せでしょう。
私が初めてグラン・プラスを訪れてから、
10年近くがたとうとしています。
私が初めて訪れたヨーロッパがここでした。
夜、ライトアップされた美しい広場をバックに、
女性がビールを飲んでいる映像をテレビで見て、
このきれいな街に行ってみたい、と思いました。
そしてこの夜景を眺めながらビールを飲みたい。
それが私の長年の夢だったのです。

窓から入ってくる冬の空気は冷たかったですが、
そんなことも忘れて私は広場に見入っていました。
この時間は私にとっての束の間の夢であり、
夢はいずれ醒めるのはわかっています。
その束の間の夢の時間を与えてくれたこの街に
心から感謝しています。

 

そして、朝早い時間のグラン・プラス。
早朝のみ車の出入りができるので、
このようにタイヤの跡がついた広場を見ることができました。
ホテルの窓からグラン・プラスの一日を眺められて、
なんだかとても得したような気分です。

 

唯一グラン・プラスに面しているという、素晴らしい立地のホテルですが、
建物自体が結構古いので、新しくて設備が良くなくては駄目!という方には
お薦めできません。
お部屋はグラン・プラスビューとシティビューがありますが(価格が違います)、
グラン・プラスビューだと、夜遅くまで広場で人が騒いでうるさい場合があるのと、
夏場は結構な暑さとなるそうで、季節などによってはシティビューのほうが
いい場合もあるかもしれません。
この広場を眺められるという特典と、それらを天秤にかけてみて納得できるなら、
このグラン・プラスビューはお薦めですよ。

 

ポルトガルに続いて、ベルギーでの3泊。
ベルギーでは車での移動ではなかったので、気分的にゆったりできました。
マグリット博物館に行けたのと、憧れていたホテルに宿泊できたので、
もうそれだけで大満足な旅行となりました。
何度来てもグラン・プラスは美しく、チョコレートやビールは美味しい。
また来ることがあるかな。また来れたらいいな。

お次は最後の国。フランスです。

 

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