【2008年9月7日(日)〜11日(木)

太古の森に会いに行く〜屋久島〜 その1 縄文杉part1

鹿児島県の沖合に種子島と並んでいる丸い島、屋久島。
周回が120KM、直径30KMほどのこの島は、面積の大部分が自然世界遺産に認定されています。
小さな島の中に、美しい浜辺あり磯あり、険しい山あり、素晴らしい渓流ありで、
山派でも海派でも、カップルでも家族連れでも友達同士でも、十分楽しめること請け合いです。
以前より屋久島へ行ってみたいと思っていたのですが、その都度台風が来てしまったり、
休みがうまくとれなかったりして、行く機会を失っていました。
今回、休みや交通機関もなんとかなって、ようやく念願の屋久島入りを果たすことができました。
一番の目標は縄文杉です。まだ旅行の疲れが出ていない、島に入った翌日にトライです。

 

縄文杉までのルートはいくつかあるのですが、今回はこの荒川登山口から。
このルートは比較的初心者向けらしいので、運動不足の私にはぴったり。
重機の横のトロッコ軌道を途中まで行くのですが、この写真は下山後に撮影したものです。
登り始めるのは明け方前。5時10分スタートでした。
宿泊している民宿から駐車場までもそれなりに距離があるんで、宿の出発は4時。
まっ暗で何も見えない中を、懐中電灯で照らしながら歩き始めます。

 

これは明るくなってから撮ったものですが、こんな橋を真っ暗な中渡る。
これは結構怖かったです。実際に落ちた人もいるみたいですし。
5時45分くらいになると、右の写真くらい空が明るくなってきました。

 

6時になれば、もうこの明るさ。明け始めると、早いです。
荒川登山口からしばらくは、このトロッコ軌道を歩きます。
アップダウンも少なく、歩きやすい道です。

 

6時過ぎ頃、このような広場に到着しました。ここで朝食。
昔屋久杉の伐採が盛んに行われていた頃は、
ここに多くの人が住み、学校などもあったそうです。
校庭を思わせる小さな広場。ここで運動会なども行われたのでしょうね。

 

8時頃。まだトロッコ軌道を歩いています。
歩いていると気付きにくいのですが、じわじわと登っているらしく、
木々の緑が濃くなってきています。
森の中ですがこの日は日差しが強く、時折感じる木漏れ日は眩しい。
とても気分の良いハイキングが続きます。

 

時々このような動物に出くわすことも。
シカはおとなしく、結構近くに寄っても慌てて逃げたりしません。
大人のシカはそれなりの大きさですが、これはまだ子供みたい。
木の根っこがあちこちに出ている険しい斜面を
ひょいひょいと機敏に降りて行きました。

 

8時少し過ぎたころでトロッコ軌道は終わって、このような登山道になります。
岩の間に巨木の根が絡み合っているような場所を登っていきます。
この登山道は、途中までは緩やかな斜面なのですが、後半一気にきつくなる。
まだまだこのあたりは序の口です。

 

最初に出会う巨木、翁杉。
樹齢は2000年を超えていると言われています。
太い幹回りにツタのような植物が絡みつき、
根元近くは苔で覆われています。
これくらいのレベルの杉が、屋久島には沢山ある。
先端のほうはもう枯れていると思われるのに、
いまだこのように生き続けているのです。

 

8時30分、ウィルソン株に到着。
1586年に切られたという、屋久杉の切り株です。
この株の調査をしたアメリカの植物学者ウィルソンの名前が付けられています。
中は空洞になっており、昔は山小屋代わりに使われたこともあったとか。
切ってから400年以上たとうというのに朽ち果てもせず、
それどころか株周囲には新たな杉が生着して伸びていっています。

 

株の中の空間は大きいですよ!
こんな感じで、大人が7〜8人は楽に入れる。
入ってすぐ左に祠が祭られています。

 

そしてウィルソン株が有名な理由の一つがこれです。
株の中のある場所から見上げると、ハートの形に見える。
ハート形の額縁の中に森の木々が描かれているようで、
思わずため息をつきたくなってしまいます。

 

さあ、ウィルソン株を過ぎたら、道がきつくなりますよ〜。
このように階段が整備されていたりするのですが、
延々と続きますし、場所によっては自分の足の長さと
うまく合わない階段もあります。
角度も結構急です。呼吸を整えながら、無理をせずに行きましょう。

 

9時頃出会った、逆さ杉。
本当に杉の木がまっさかさまになって、空に根を張っているよう。
なぜこうなったのかはわかりませんが、すごいですね。

 

大王杉。やはり巨木です。大王の名に負けていない。
これも屋久杉なのですが、そもそも屋久杉というのは
「屋久島の標高500m以上の場所に自生する樹齢1000年以上の杉」のことを言い、
低い場所に生えているものや植林したものは屋久杉扱いはしません。
この大王杉は樹齢3000年ほど。
下に立って仰ぎ見ると、その巨大さがわかります。
中心に暗く見えるのは空洞で、人が余裕で入れるくらいの大きさがあります。

 

屋久島では杉の木だけでなく、他の木も融合してしまうのをよく見ます。
この木はまるで可愛らしくキスしているように見えますが、
後ろに回ると、このように片方が片方をからめ取るようにして
しっかりとくっついているのがわかります。
ここを通過したのは9時半くらい。

 

9時50分頃、この「マグロの頭」と呼ばれる倒木を通過。
倒れた木の朽ち具合、まさにマグロの頭です。
この口の中に、人間が座れるくらい大きいのですよ。
表面に苔がびっしり生えていて、とてもきれいです。

 

これはまだ樹齢の若い木ですが、3本くっついています。
そのうちこの木も屋久杉にまで成長すると、
このようにすっきりと天を目指して伸びる杉ではなく、
生き物のようにうねうねとした杉になっていくのでしょうか。

さあ、ここまで来たら、縄文杉は目の前です。

 

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