太古の森に会いに行く〜屋久島〜 その1 縄文杉part2

 

10時。荒川登山口から歩き始めて約5時間後。ようやく縄文杉にたどり着くことができました。
確認されている屋久杉の中でも最大のもので、樹齢は2000年とも7000年とも言われています。
幹回りは約16m。高さは約25mです。高さに比べて、幹回りがとても大きいですね。
これも屋久杉の特徴です。

 

右下方に見える人と比べてみると、どのくらいの大きさか実感できますでしょうか。
以前は縄文杉の根元まで行くことができたのですが、
観光客が多くなってきて、根元を踏み荒らされるようになってしまったので、
現在は縄文杉の前にテラスができており、そこまでしか入れません。
縄文杉をバックに写真を撮ることのできる場所は順番待ち状態。
さすが屋久島一番の有名スポットであり、すごい人数でした。

 

その縄文杉撮影スポットに寝転がって撮った写真。
この日は天気もよかったので、木漏れ日が美しい。
四方八方に枝が伸びており、やはり杉とは思えない広がりです。

 

杉の根元です。階段状になっています。
これは縄文杉の根っこではないそうですが、
細かいひげ根のようなものが絡み合って、
やはり生き物のようにすら見えます。

 

私が縄文杉に到着したあたりで、どんどん人が増えてきました。
15分くらい十分に縄文杉を堪能(?)してから、復路につきました。
縄文杉そのものもすごい迫力なのですが、
5時間歩いてきたという達成感もそれにプラスされますので、
何とも言えない「やったー!」という感動を味わうことができました。

 

きた道を帰るので、同じ道を歩いているはずなのですが、
往路では見えていなかったものが復路で見えたりします。
やはり行きは登ることで一生懸命になっているのかも。
まるで生き物のように成長する木々を眺めながら、
下りの道を順調に降りていきます。

 

しかし、やはり下りは上りよりも大変だった。
体重が膝にかかるため、復路途中で膝がとても痛くなってきました。
しかも、どうも歩き方に癖があるのか、片方の膝だけ。
杖を使いながら、なんとか必死にガイドさんに追いつきます。
自分でもここまで帰りが大変とは思わなんだ。

 

屋久島では杉の樹齢が極端に長いだけではなく、
樹脂が多くて倒木した後も腐りにくいという特徴があります。
普通は朽ち果ててしまうのですが、そのまま長い年月が過ぎ、
苔がその上に自生して、さらにそこに杉の胞子がついたりする。
そしてそこからまた新しい杉が伸びていくのです。
こうして何代にもわたって、杉の生命が受け継がれていくのですね。
本土では見られない現象です。

 

このような横穴がいくつも開けられた場所がありました。
これは防空壕だそうで、以前は山に住んでいる人も多かったので、
こういうものも必要だったのでしょう。

 

このような美しい渓谷もあります。
ここで痛む足を冷やしながら、少し休憩しました。
巨石がごろごろしており、しかもすごい水量で、
屋久島の山の豊かさをここでも感じることができました。
一度台風などが来て水量が増えたりすると
石の位置などががらりと変わってしまうそうで、
とにかく全てにおいてスケールが大きいです。

 

15時頃通りかかった、もののけ姫の森に似ている場所。
本物のもののけ姫の森は、白谷雲水峡にあります。
でもこの場所に限らず、この森全体がこのような雰囲気に満ちており、
それはきっと季節や見る人によって、色々と顔を変えるのでしょう。

この30分くらい後に、荒川登山口に到着することができました。
往復約10時間半。ガイドさんによると、とても順調な登山だったようです。

 

縄文杉。それはあくまでも一つのゴールにすぎません。
ゴールにたどり着くまでの、木を森を感じること。
それが「縄文杉を見に行く」ことの醍醐味ではないでしょうか。
本土では決して見ることのできない太古の森。私たちが知らなかった杉の木。
樹齢2000年とも3000年とも言われる杉の木たちは、
私たちが歴史で学ぶ文明開化も戦国時代も、竪穴式住居の時代でさえも、生きてきたのです。
この森の中で、静かに。人間の世界が混乱しようと一喜一憂しようと、そんなことには関係なしに。
そしてこれからも、私たちがこの世を去った後も、同じように生きていくのでしょう。
太古の森には、私達の知らない、時間を超えたものが息づいています。

 

さて、今後縄文杉に行ってみようという人もいらっしゃるかと思います。
登山初心者の私が今回登ってみての感想というかアドバイスを、あげていきたいと思います。

■ガイドさんをつけよう
 縄文杉は観光地ですので、オンシーズンともなれば大勢の人が押し掛けます。
 なので、道に迷うことはあまりないと思われますが、それでもつけたほうがいい。
 一つはペースメーカーが必要だということ。
 登山に慣れていない私などは、ゆったりと自分のペースで登りがちになってしまいそうですが、
 ガイドさんがペースメーカーになってくださったおかげで、時間どおりに進むことができました。
 それからやはり、色々な説明をしてくださること。
 私についてくださったガイドさんは、どんな質問をしても答えがかえってきました。
 ただひたすら縄文杉を目指すだけというのも、面白くないでしょう?
 森すべてを堪能するためには、やはりガイドさん必須であります。
■装備はしっかりと
 ちょっと大げさかなーくらいでいいでしょう。いわゆる夏山登山の装備で行きましょう。
 特に足元は大事です。ただのスニーカーではなく、登山用の靴を用意しましょう。
 杖は必須。登りはともかく、下りでは絶対に必要になります。
 私は右膝が半端でなく痛くなったのですが、杖に随分と助けられました。
 雨具も絶対に必要。私が行った日は珍しく、全く雨が降らなかったのですが、
 雨にあう確立は非常に高いです。リュックに被せるカバーも必要です。
 途中疲労した時にカロリー補給できる、シリアルバーなどもあるといいと思います。
 エアーサロンパスのようなもの、サポーターなども、余裕があればもっていくといいかも。
■トイレは必ず行くように
 トイレは途中2箇所にあります。その時に行きたくなくても、行っておいたほうがいいでしょう。
 男性だったら、ちょっと脇道にそれて、立ちションでOK!と思っている人もいるでしょうが、
 とにかく人が多くてそんなこと出来る状況ではないですよ。
 トイレは必ず行っておくこと。私は携帯トイレを持参しましたが、幸いながら使わずにすみましたが。
■自信がない人は、1泊2日コースで
 日帰りコースは10時間歩き続けになりますが、縄文杉近くの山小屋で1泊するコースもあります。
 それだと、1日あたりの負担が半分になるので、体力のない人でも行けるかも。

それ以外にも細かいことが色々とあるのですが、割愛します。
不安な点はガイドさんに事前に確認して、万全の用意をしていってください。
後から思い出して、楽しかったと思えるためにも。

 

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