【2007年9月27日(木)】

あの高熱隧道へ! 〜黒部ルート見学会に参加して〜その1

 


このオコジョのダムダムくんのワッペンが
ツアー参加者の印
昨年初めて立山黒部アルペンルートと黒部峡谷鉄道を経験して、
大自然の脅威と、それに挑んだ人間たちの姿にえらく感動しました。
そこで今年は、「黒部ルート見学会」に参加してみたい!と思いたち、
ダメ元で申し込んでみました。
何しろ人気のあるツアーですからね、往復ハガキをたくさん買い込んで
片っぱしから希望日時を書き込み、まとめてポストへ投函しました。
そうしたら…当たりました!
まさか当選するとは思っていなかったので、自宅ポストの大きな封筒を見つけた時は大感激。
早速休みを申請して、再び立山へ行ってまいりました。

 

えーと、まずは黒部ルートとは?の説明なんですが…。
現地に行ったことのない方は、「立山黒部アルペンルート」と「黒部峡谷鉄道」が
ごちゃごちゃになっていることも多いと思います。
これら2つは、全くの別ルート。近くはあるけれど、つながってはいないのです。
アルペンルートは富山の立山と信州の扇沢を結ぶ路線で、途中に黒部ダムが入ります。
黒部峡谷鉄道は宇奈月と欅平という場所を結ぶトロッコ列車。
そして、欅平からアルペンルートに入るには、「日電歩道」と呼ばれる場所を延々歩いて行くしかない。しかし日電歩道は険しく、健脚で登山の経験がある人でないと、かなりの難所です。
しかも1日では絶対に行けません。途中、阿曽原というところで、一泊する必要があります。
その欅平から黒部ダムまでを結ぶのが「黒部ルート」なのです。
もともとはダムや発電所の資材と人間を運搬するためのルートなのですが、
平成8年度から抽選で希望者に見学会が開催されています。
左の地図がわかりやすいですね。画像は関西電力さんの公式サイトよりお借りしました。
勿論主催は、関西電力さんです。

 

信濃大町〜黒部ダム(トロリーバス)

 

前回アルペンルートに行った時は、富山側の立山から入り、黒部ダムまでを往復しました。
黒部ルートは黒部ダム発と欅平発の2ルートがあり、私が参加するのは黒部ダム発。
集合場所が黒部ダムなので、そこまで近い大町に前泊して、扇沢駅から行くことにしました。
時間に遅れるとイヤなので、かなり早くに出発。8時過ぎには扇沢に到着。
ここで車を回送業者に預けました。ここまで戻るのは大変なので、宇奈月まで車を有料で運搬してもらうのです。
朝早い扇沢駅は空気も澄みきって、駅の後ろに見える山々がとてもきれいでした。

 

しかしやはり人気ルートなのですねえ。
朝の8時だというのに、すでに駐車場はこの状態。
大型の観光バスがたくさん停まっていました。
こうして撮影している間にも、どんどんバスがやってくる。
9月の終わりでこの状態ですから、夏休み期間なんざ
どうなっていることでしょう。

 

黒部ダムまでは殆どトンネルの中なので、
電力で走るトロリーバスで行きます。
時間は約16分。
バスは1台だけではなく、何台も連なって走ります。
車庫には沢山のトロリーバスが停まっていました。

 

黒部ダム

 

黒部ダムに出られる富山側の駅名は「黒部湖」ですが、
扇沢側からの駅名は「黒部ダム」です。
ひんやりと寒いほどのトンネルの中を案内に従って進むと、
まっすぐ前に、黒部ダムと書かれた石碑が見えてきます。

 

前回はまだ雪が残っているような季節だったのですが、
今回はもう夏ですので、観光放水を行っていました。
これは展望台からの眺めですが、ダムの上から至近距離で見ると、
半端でない迫力です。音もすごいし、水煙も美しい。
人工建造物ではありますが、季節によってこれだけ表情を変えるというのは、
やはり黒部ダムならではですね。
この迫力は、実際に見てみないとなかなか伝わらないと思います。
是非一度足を運んでみて、損はない場所だと思います。

 

前回来た時はまだ湖には氷が張っていたのですが
今回は勿論溶けていて、美しい湖面が広がっていました。
観光遊覧船も出ていましたが、時間の都合で乗船できず。
湖面から眺める周囲の山々は、また違った表情を見せてくれるのでしょう。
今度来る機会があったら、是非とも乗ってみたいものだと思います。

 

前回は雪に閉ざされて、見ることすらできなかった殉職者の慰霊碑です。
右側にあるプレートには、殉職した全員の氏名が刻まれています。
たった7年間という、信じられないほど短い期間でこのダムを造り上げた人たち。
彼らは無名の、まったく歴史の表舞台には出てこない人たちなわけですが、
全ての歴史はこのようなごく普通の労働者や庶民達が作ってきたのですね。
ダムの片隅の慰霊碑に手を合わせて、黒部ルートの集合場所へ行きました。
もう一つの黒部の歴史を刻んだ、あの「高熱隧道」を通るために。

 

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