【2006年5月3日(水)〜5月9日(火)】

越中富山の薬と健康膳体験

「越中富山の反魂丹」は、落語にも登場する有名な薬です。
私も名前は知っていましたが、何の薬かは知りませんでしたし、
未だに作られて、売られているというのも、恥ずかしながら知りませんでした。
富山市中心部に、丸薬の製造と販売を続けている「池田屋安兵衛商店」があります。
なまこ壁の風格のある店構え。歴史を感じさせる外観です。

 

お店の中には丸薬以外にも、置き薬の小さなパックも陳列されています。
勿論、これらは全部商品なので、一袋ずつ買うことが出来ます。
置き薬はレトロなパッケージが特徴で、熱心なファンも居る人気商品。
宝島のVOWなどでも特集が組まれたことがありました。
最近では近所の薬局などでも見かけることが多くなりましたが、
昔は家の常備薬として、必ず薬箱にあったものです。

 

丸薬は、主に生薬を主成分としており、まるで仁丹のような形と大きさ。
一度に10粒くらいの量を服用するので、左のような軽量スプーンがあります。
これで一度に10粒量れるので、そのまま口に放り込めばよし。

ここでは丸薬を丸める体験コーナーもあり、丸薬師さんがいる時間なら、
実際に自分で薬を丸めてみることもできます。
ただし、それは本当の薬ではないので、自分で丸めた薬を飲むことは出来ません。

 

さてこのお店の2階は、健康膳が食べられる「薬都」というスペース。
食事だけでなくお茶やお菓子など、健康を追求した食事が出来ます。
この場所はかつての製薬工場だった場所。
かなり広いのですが、ここで丸薬師さんたちが、薬を作っていたのですね。

 

「薬都」の入り口には、このような昔の薬箪笥が展示されています。
引き出しの数は108つ。その全てに、生薬の材料が入るわけです。
この箪笥、両脇に金具が取り付けられており、そこに天秤棒を通して、
人間2人で担いで運んだのだそうです。医師と一緒に、患者の家へ行くのです。
そこで患者に合った薬を調合したのです。
とても工夫されて作られているのを感じました。

 

予約の不要なランチメニューを頼んでみました。
右はリゾットで、表面にはチーズがかかっていますが、
見た目に反して、あっさり味。奥は白木耳のサラダです。
左はシュウマイ定食。どちらも特に薬くささなどは感じず、
ごく普通の食事という感じでした。

 

食後にはカモミール(左)のお茶と、タンポポの根を使ったコーヒー。
これらも特にこれといって薬膳的なものは感じなかったのですが、
食事の途中で、体がやけに熱くなってくるのを感じました。
途中で上着を一枚、脱いでしまったくらいでした。
これが効果なのかどうかはわかりませんし、効果の程は人それぞれですので、
興味のある方は、お試しあれ。
私はちょうど風邪ぎみだったので、体が温まったのは、とても助かりました。

 

ところで、薬膳という言葉はよく聞きますが、どのようなものを言うのでしょうか?
「薬都」の店員さんに尋ねたところ、「薬都」では「健康膳」という言葉しか使っておらず、
薬膳というものに関しては、確定的なことは言えないのだが、と前置きした上で、
「1人1人体の状態は異なるので、その人のその時々の状態に合わせて、
一番必要と思われるものを食事に取り入れたものと考えれば、良いのではないか」とのことです。
なるほど。精進料理のように「動物性蛋白質は駄目」などの決まったルールがあるわけではなく、
その都度内容は変わっていくものなのですね。

 

自分へのお土産に、「通じ丸(便秘薬)」と「キリン散(解熱鎮痛薬)」を購入。
一番下のは、紙風船です。懐かしいなあ。
越中の薬屋さんといえば、紙風船ですものね。
今でも町中の薬局では、子供向けにゴム風船をくれたりしますが、
昔懐かしい紙風船は、富山ではまだ現役なのでした。

 

高台より、散居村を眺める

富山へ旅行するにあたって、事前に調べ物をしていると、「散居村」なるものに気づきました。
「散居村」とは、田圃が一面に広がる中に、家がぽつんぽつんと点在するというもので、
遠くから見ていると、まるで水面に家が浮かんでいるかのように見えるというのです。
勿論、水田に水が張られていないと、そうは見えないので、田植えの始まる時期はチャンス。
展望台もあるということなので、湯めぐりの途中に寄ってみました。

 

展望台からは、平野が一望できます。
その中に家々が点在している散居村が広がっているのです。
私が行った頃はちょうど田植えをしている農家も代掻きをしている農家もあり、
水田に水が張られていないところは少ないように見えたのですが、
こうして展望台に登ると、水田だけでなく畑も結構多いようです。

 

これは別の角度なのですが、こちらには水が張られているところが多く、
確かに水田の中に家が船のように浮かんでいるように見えます。
私の写真技術ではこれくらいが限界なのですが、実際はもっとずっときれいなのです。
広がる平野に張られた水が反射してきらきらと光り、その中にばら撒いたように家がある。
遮るものの何もない、本当にのどかで、心が休まる光景でした。
私は農村に生まれ育っていないにも係わらず、このような眺めにはやはり心が休まるのです。
水田というのは、日本人の心象風景として、深く刻み込まれているのだなあと実感したのでした。

 

小ネタその1 謎の踏み切り

車を走らせていて、以前テレビで見たことのある光景に突然出会いました。
それがこの踏み切り。閉じっぱなしなのです。しかも、バーは1本だけ。
周囲には線路もなく、普通の道路があるだけです。
一体この踏み切りは何?
ちょっと車を停めて、見に行ってみました。

 

写真が小さくてわかりづらいですが、「路線バスの通路」と書かれています。
つまりこの道は、路線バスのみの通路であり、他の車両や歩行者は侵入禁止。
確かに路線バス1台通るのに、やっとという感じの細い道ですが、
そのためだけの踏み切りだったのですね。
ところでこのバーは、どういう仕組みであがるのでしょうか?
バスから無線か何かを飛ばして、それに反応するのでしょうか?
見てみたかったけど、そう都合よくバスが通るわけもなく、
実際に踏切が動く場面を見ることはかないませんでした。残念。

 

小ネタその2 チューリップ

富山で見かけたチューリップたち
マンホールの蓋。鮮やか。 勿論ガードレールもチューリップ。
どちらが県道で、どちらが市道なのか?2種類。

 

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