【2006年9月15日(金)】

田舎館村の田圃アートと、尻屋崎の寒立馬

 

田舎館村の田圃アートを見

 

青森県田舎館村。湯でたこは何度もこの村を訪れています。
今回まだ入っていない温泉に入ろうと、何度目かの田舎館村訪問をしました。
温泉施設に行くと、まだ一般開放時間になっておらず、時間調整をすることに。
周囲をぶらぶらしていると、田圃の周囲に人が集まって、なにやら賑わっています。
カメラを持った人も多数。なんだろう?と思い、田圃を見てみると、
なにやら模様のようなものが見えるではないですか。
これはもしや、以前ネットのニュースで見た、田圃アートってやつか?!
すぐ近くの町役場の展望台からよく見えるらしいので、さっそく上ってみることにしました。

 

町役場はお城のような造りになっており、「田舎館城」と書かれていました。
途中までエレベーターで昇り、天守閣までは階段です。
結構多くの人が展望台に居たのにはびっくりしました。

ネットのニュースで画像を見た記憶はあるのですが、
まさかそこに自分が偶然居合わせることになろうとは、思ってもいませんでした。

 

これが今年の田圃アート!「風神・雷神」です。
時間は16時くらいだったので、展望台の影が入ってしまうのが残念。
でもとてもきれいで、しかも実物はとても大きくて、
思わず見とれてしまいました。

 

一つずつだと、こんな感じ。
風神と雷神の下には、「いなかだて」「たいせつないのち」と入っています。
広角レンズを持っていないので、全部を一つにおさめきれなかったものの、
美しさは伝わるでしょうか。
ネットのニュースで見たのは、どちらもきれいに一つの写真におさまっていたので、
航空写真だったのかもしれません。
田舎館村の公式サイトでは、もっときれいな歴代の写真を見ることができますよ!

 

展望台には過去の田圃アートのパネルがありました。
青森出身の版画家・棟方志功のものや、
歌麿の美男美人図などなど。
年をおうごとに技術もどんどん進歩している様子がよくわかりました。
来年は一体どんな田圃を見せてくれるのでしょうか。
今からとても楽しみです。

 

左は地上から見た田圃。右は使われている稲です。
田圃アートと言うからには、使われているのは全て稲です。
稲って色々な種類があるのは知っていましたが、こんなに色が違うんですね。
今年は4色の稲を使っているそうです。
この田圃は9月24日に刈入れとなるので、見られるのはそれまで。
でも来年以降もありますので、秋に青森への旅行を計画されている方は、
ちょっと田舎館村へ寄ってみてはいかがでしょうか。
来年も行ってみるかな。今から楽しみだなあ。

 

尻屋崎の寒立馬に会いに行く

 

寒立馬」をご存知ですか?「かんだちめ」と読みます。
雪の吹き付ける寒い中、じっと立ち続ける馬の姿をご覧になったことのある方は多いでしょう。
青森県の下北半島、尻屋崎灯台付近には、この寒立馬が多く放牧されています。
これは個人の持ち馬で、野生の馬ではありませんが、
通年放牧されているため、野生の馬のように思われていることが多いようです。
この寒立馬に会えるのは夏場だけ。理由は、以下を読んでいただければわかります。
この可愛い馬達に会いに、尻屋崎まで行ってきました。

 

寒立馬の放牧地へは、このゲートをくぐって入ります。
このゲートは日中しか開いておらず、冬季も閉鎖されます。
詳細はこちらのページをどうぞ。
この手前に駐車スペースがあり、そこに停めて歩いて入るのは自由ですが、
なにしろ中はとんでもない広さだし、どうなっても責任は自分でとることになります。

 

こんな感じの道が延々と続きます。周囲は林だったり、草原だったり。
このどこかに放牧されている寒立馬がいるのですが、
このだだっ広い敷地の中に、100頭にも満たないのですから、
歩いて探すというのは、大変困難です。
実際車で走り回っていても、なかなか探せませんでした。
馬がどこにいるのかは誰もわからないので、運もありますね。

 

走っているうちに、尻屋崎灯台に到着。
抜けるように青い空に、白い灯台がまぶしく映えています。
駐車場に車を停めて、灯台に向けて歩き出すと、
あっちこっちに巨大な馬糞の山があるではないですか!
歩く時は下を見て歩かないと危険です。
糞があるということは、この付近にもよく来ているということですが、
この日は灯台の近くには1頭も居ませんでした。

 

灯台の高台から、海が見えます。
青々とした草原。きっとこのあたりにも、草を食べに来ているのでしょう。
冬にこのあたりを歩き回るのは、雪や風の問題で危険きわまりないし、
雪で隠れた馬糞を踏み抜く恐れも(笑)。
また、いくら寒立馬は人間に慣れているとは言っても、やはり動物なので、
何かあった時に、周囲に人が全く居ないという状況は、とても危険です。
くれぐれも野生に近い動物だということを、忘れずに。

 

尻屋崎灯台付近で馬糞にしか会うことが出来ず、残念に思っていたのですが、
思わぬ場所で群れを発見しました!
放牧地のはずれ、近くには工場もあるようなところです。
のんびりと草を食む姿を見かけて、慌てて車を停めました。

 

4頭で体を寄せ合って、草を食べていました。
虫が寄ってくるらしく、尻尾を絶えずぶんぶんと振り回しています。
びっくりしたのは、動物独特の匂いを、あまり感じなかったこと。
静かに佇むその様子は、周囲の光景と見事に溶け合っており、
自分たちの気配さえ消してしまっているかのようでした。

 

恐る恐る、すぐ近くまで寄ってみます。
思い切って、頭をなでてみましたが、何の反応も示しません。
本当におとなしいんだなあ。
微笑んでいるかのようにさえ見える穏やかな表情は、
人間に危害を加えられずに今まで来たことによるのでしょうか。
諦めかけていたので、偶然会えて、本当によかった。
本当は雪の中に立ち尽くす彼らを見てみたいけど、
体力気力共に無理そうなので、また夏場に会いにきたいものです。
それまで元気でね。

 

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